ストレス

前の竹本信雄さんの文章を受けて、

ただ、タバコを止めたところで、それ以外の要因、たとえば飲酒や食事や生活習慣や運動や睡眠、遺伝的要素(生まれつき消化器系が弱い、等々)、人間関係のストレスなどによって、タバコと同じかそれ以上に健康を損なわれることだってあるのではないかと思うのです。場合によっては、タバコを吸うことでストレスを発散し、のんびりとタバコの味を楽しんでいた方が、健康のために良いということもあるのではないでしょうか?
(p78)

と述べています。

大抵の病気は複数の要因が重なり合って起こります。タバコは《それ以外の要因、たとえば飲酒や食事や生活習慣や運動や睡眠、遺伝的要素(生まれつき消化器系が弱い、等々)、人間関係のストレスなど》に悪い方向の相乗効果をおこします
複数の要因から健康を損なわないように取り除けるもので現状最も効果が期待されているのが喫煙と、受動喫煙です。なにせ全死因の一割です。
(知っている例外では潰瘍性大腸炎という病気に罹患している喫煙者が禁煙すると、病状が悪くなることが多いとのこと(参考:微量の一酸化炭素が腸の炎症を改善 : 草はみの潰瘍性大腸炎・クローン病最新情報)。しかし喫煙によって引き起こされる他の病気のほうが多過ぎるので、「この病気になる可能性を恐れて禁煙しない」ようなことは本末転倒といえるでしょう。)
仮にタバコによる病気を無視するとします。以前は重度の依存に陥っている人であっても、タバコを吸う場所に困るということも無かったので、ストレスを発散することも出来たかもしれません。
しかし他人の健康に配慮しなければいけない現在では、公共の屋内では吸えず、路上の人通りの多いところでは吸えず、かえってタバコ以外のストレスに加えて「タバコを吸えないストレス」が増える状況になっているとは思いませんか?
「1日5本」で済むほどの、依存度の低い人ならば「吸えないストレス」も大したことはないかもしれませんが、そうでない人は「吸えないストレス」を感じ、吸えるときに「吸い貯め」と称して多く吸ってしまったりするのではないでしょうか。こういった人は、喫煙を完全にやめてしまったほうが、よりストレスの溜まらない生活をおくれ、健康のために良いと思います。